森をまとい、食べ、遊ぶ。身近にあった心地よさ|Little Branch
移り住んですぐに気に入って、第二の故郷になりました
私は就職で松山へ初めて来て、その後、転勤で県外に移り、木質由来の新素材の研究・開発を行っていましたが、結婚・出産を経て、数年前に家族とともに松山に戻ってきました。
松山は山もあり海もあり、自然と町の距離が近く食べ物も美味しくて、道後温泉のような全国的に有名な観光資源までそろっている。とても恵まれた豊かな街だと思います。移り住んですぐに気に入って、第二の故郷になりました。仕事を通して人の繋がりもたくさんでき、楽しい日々を送っています。
松山に戻った際に、より森林・林業の現場に近いところで働いてみたいと思い、森林整備事業などを行っている愛媛森連産業株式会社に就職。そこで社内ブランドとして2018年に立ち上げたのがLittle Branchです。その後、2021年に独立し、個人事業として運営しています。
Little Branchは「森を感じる暮らし」をコンセプトに、愛媛の木を使った木製品(アクセサリー、玩具、日用品)や森の中で育つ原木椎茸を用いた加工品などを企画・製造・販売しています。
暮らしの中に森を感じることで、森林・林業にも目を向けてもらえたら
今、林業は戦後に植林された人工林が伐期を迎えていますが、手入れが行き届かないといった問題を抱えています。森林資源が豊富な日本では昔から木は生活とともにありました。木製品を使ったり森林の中で過ごしたりすることで、木は人に心地よさを与えてくれます。ですが、現代生活では木に触れる機会が少なくなっていますね。
そこでLittle Branchでは、日常の中で取り入れやすい無垢の木製品やアクセサリー、森の恵みである原木椎茸加工品などを展開することで、皆さんに暮らしの中に森を感じる機会が提供できればと思っています。そして、製品を通して森林・林業といった背景にも目を向けてもらえたら嬉しいです。
森林は唯一、人の手で再生可能な資源
今でこそ、そんな思いが強いのですが、私の出身は福岡市の中心部で、街中で育ったこともあり、子どもの頃から特別「木が好き、森が好き」という訳ではありませんでした。
きっかけは、大学(九州大学農学部)の講義の中で、とある先生が「森林は唯一、人の手で再生可能な資源だ」とおっしゃっているのを聞いてからです。
日本の約68%は山林で、森林は日本が唯一持っている資源。これからは森林の時代だという話に興味を持ちました。実際に森林科学を専攻すると、大学の演習林に泊まり込みながらの授業などもありました。理屈だけでなく森林が好きだと感じ、森林に関わった仕事をして行きたいと考えるようになりました。
Facebookやinstagramでは、商品やイベント出店などの情報はもちろん、私が実際に林業現場で働いて見たもの感じた事なども発信しています。無垢の木に触れる気持ちよさや、森林の中でリフレッシュしたり気持ちが穏やかになったりするといった感覚は、誰もが感じるものだと思います。暮らしの中に、地元の木でできたものをぜひ取り入れて欲しいです。
実は愛媛は全国4位の産地
シイタケには“原木栽培”と“菌床栽培”の2種類の生産方法があるのをご存知ですか。
Little Branchで取り扱っているシイタケは、すべて“原木シイタケ”で、県産のクヌギの原木に菌を埋め、森の中で環境を整え、2年ほど置くとシイタケが発生します。昔から変わらず、農薬も肥料も使わない生産方法です。また、自然下での栽培のため旬があり、春先と秋に主に収穫します。それぞれ春子、秋子といって、この時期に収穫が集中するため、基本的に干しシイタケとして売られています。
意外と知られていませんが、愛媛県の原木干しシイタケ生産量は全国4位です。ただ、生産者が高齢化していて、生産量は減少してきています。
一方“菌床シイタケ”は、室内で温度管理をして栽培されるため、一年中収穫が可能です。このおかげで、スーパーマーケットではいつでも生シイタケを購入できます。
ぜひ愛媛の原木シイタケを食べてみてください
原木シイタケは主に干して加工した状態で流通するため、戻して使う必要がありますが、そのサステナブルな生産方法や、原木シイタケならではの肉厚な歯ごたえ、濃厚な旨味はとても魅力的です。
Little Branchのおともしいたけは、原木干しシイタケを原料にそのままご飯やパンのおともとして使える瓶詰の加工品です。原木シイタケの美味しさを手軽に味わっていただけます。もちろん定番の干しシイタケもオリジナルパッケージで販売していますので、ぜひ愛媛の原木シイタケを食べてみてください。