#12 影まで美しい。ガラスが彩るレトロな世界
道後温泉本館から徒歩3分。
ゆるやかな坂道を歩いていると、
右手に「ミュージアム」の文字が。
矢印が指す方向へと歩みを進めると、
情緒あふれる温泉街の雰囲気から一変。
水と緑あふれる美しい洋風庭園が現れる。
庭園の横に伸びる入口への通路は、
柔らかな光を放つガラスのランプが印象的。
さぁ、庭園の景色を楽しんだら館内へ。
赤と黒を基調にした館内は、
柔らかいライトでレトロな雰囲気。
希少な江戸時代のぎやまん(ガラス細工)や
明治・大正時代の和ガラス作品を、
西日本最多展示数の約300点展示している。
なぜ道後でガラス…??
と思った方もいるかもしれないが、
そこには深い繋がりが。
明治27年に当時の道後湯之町町長だった
伊佐庭如矢が、道後に名物を作り人を集めようと
改築したのが現在の道後温泉本館。
一歩でも文明開化に近づけるため、
その三層楼には当時の人々の憧れだった
ぎやまんガラスを取り入れた。
その姿に、当時の入浴客は驚き、賞賛したそう。
夜には、振鷺閣(塔屋)の赤いぎやまんが
道後の町に希望の灯をともし、
100年以上経った現在も人々を魅了し続けている。
そんな歴史に思いを馳せながら館内を巡ると、
初めて見るのにどこか懐かしい気持ちに。
光に照らされ影まで美しいぎやまんの数々。
当時と変わらぬ魅力に引き込まれ、
束の間のタイムスリップを楽しんでみてはいかが?
館内には販売コーナーも。
旅の思い出に、そしてお土産に、
どれを買って帰ろうかなー?
おまけ
本館の振鷺閣の中には太鼓が設置されていて、
朝6時に6回、正午に12回、夕方6時に6回
打ち鳴らされる。
これは開館や時刻を知らせるため、
明治27年の改築当時から続いている伝統だ。
今も昔も変わらず道後の街に刻を知らせ、
残したい日本の音風景100選にも選ばれた音色を
ぜひ一度聞いてみてほしい。
※保存工事期間中は南棟3階で叩いています
🈺9:00~18:00(入館受付は17:30まで)
㊡年中無休
☎089-933-3655(代表)