道後発。缶「パチッ!」と飛び出すおもてなし|Canpachi
えひめの良いものを知ってもらいたい、郷土の味を継承していきたい
「Canpachi」は柑橘ジュースの「10FACTORY」や、松山鯛めしの「秋嘉(あか)」と同じく、㈱W-HARMONY(ダブルハーモニー)が出店しています。
W-HARMONYは"えひめの良いものを知ってもらいたい"そして、"郷土の味を継承していきたい"という想いで立ち上げられた会社です。ですから、どの店舗も全国の人に愛媛の味を知ってもらうために、多くの観光客が訪れる場所で出店しています。
"えひめの味"を提供するため、缶詰の主原料はすべて県産の食材を使っています。鯛をメインにしていますが、サバやさわらなどの魚もありますし、大洲の郷土菓子"しぐれ"などのスイーツ缶もあるんですよ。鯛めしも県内各所で味付けが違いますからね、松山鯛めしに北条鯛めし。東予、南予も加えて4種類を販売しています。
今は売上に繋がらなくても、おもてなしをしよう
「Canpachi」は、今年(令和4年)の3月にオープンしたのですが、当時はコロナ禍の真っただ中でした。市内でも毎日数百人が感染している状況で、そんな時期にオープンするのが本当に正しいのか、会社でも意見が分かれました。
決め手となったのは、道後商店街を歩く観光客の人たちからの「(商店街の)お店あまり開いてないね」という声でした。その声を聞いて、こんな時期なのに道後を選んでくれたお客様のためにも、「来て良かったと思ってもらえるように、おもてなしをしなければ。」という気持ちが強くなり、「今は売上に繋がらなくても、店を開けて喜んでもらいたいよね」という方向で団結できたんです。
「好き」を仕事にしているからこそ
うちには、そんな「おもてなし」マインドの人材が集まっています。「お金のために働いているだけ」って人はいないんじゃないかな。素直におもてなしがしたいと思っている人の集まりなんです。ですから、接客マニュアルも最低限はありますけど、事細かくはありません。
「好き」を仕事にしているから、お客様へ各々が自分のスタイルでナチュラルにおもてなしができるんです。好きなことを仕事にしない方が良い、なんて話もありますが、うちの場合はそうでもないと思っています。
例えば、今「Canpachi」には、170種類くらいの缶詰がラインナップされていますが、3月時点では約120種類でオープンしたんです。開発担当が、「ものづくりが大好き」でどんどんアイデア出してくれるものですから、半年で50種類追加となりました。増えすぎですよね(笑)。商品化されなかったものも含め、どんだけ開発したんだよ。もう勘弁してよと(笑)
缶詰でちょっと幸せを感じてほしいんです
缶詰って中が見えないじゃないですか。中身が見えないものを開ける時ってワクワクドキドキしません?中はどんなになっているのかな、どんな味かなって期待を膨らませながらパチッと開ける世界観を大切にしたいんです。ちょっと幸せな気持ちになるあの感じです。私は、ひとり晩酌しながら、頑張った自分へのご褒美にパチッと開ける時間が好きです。
缶詰は旅のお土産にも手ごろだし、もらった人も、その地の味が楽しめ、ちょっと幸せな気持ちになれる。皆さんに缶詰でちょっと幸せを感じてほしいんです。「Canpachi」という名前にはそういう願いが込められています。
道後はこのコロナ禍で、一時は客足が大きく落ち込んでいましたが、国や県、松山市の観光支援もあって、今、徐々に盛り返してきています。まだ当分苦しい時期は続きそうですが、引き続き私たちは道後に来てくれた人に、楽しく過ごしてもらって、帰るときには幸せになってもらえるように、会社全体でおもてなしをしていくつもりです。そして、地元で旅の帰りを待っている大切な人たちにも、私たちの思いが詰まった道後発の幸せをお裾分けしてもらえたらありがたいですね。
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